YellJapan

訪日外国人・インバウンドのビジネス向け総合情報サイト

訪日中国人へのビザ発給要件が緩和へ!インバウンドへの数次ビザの効果は?

訪日中国人へのビザ発給要件が緩和へ!インバウンドへの数次ビザの効果は?

外務省は5月8日から、中間所得層以上の中国人とその家族に対して、3年間の期間内であれば何回でも日本に訪問することが出来る「数次ビザ」の発給が開始されました。

これまでの数次ビザは、岩手県・宮城県・福島県の東北3県限定で発給されていたが、今後は青森県・秋田県・山形県を含めた東北6県で数次ビザが発給されます。

またゴールドカード以上のクレジットカードを利用すれば、個人観光第一次ビザの提出書類を簡素化することも可能になっており、中国国外に住む中国人も観光目的の数次ビザの取得が出来るようになります。

外務省は今回の施策の背景として、数次ビザの利用による訪日観光客のリピーター数増加を見込んでおり、「2020年までに訪日外国人4000万人という目標を達成させたい」としています。

今回の数次ビザ発給緩和の具体的な内容は?

これまでの数次ビザは、中国人の個人観光客向けに年収25万人民元(日本円で約430万円)以上という条件を満たし、最初の訪日時に沖縄県または東北3県(岩手県、宮城県、福島県)のいずれかの県に1泊以上する訪日中国人に限り発給されていました。

今回の発表で新しく緩和された要件では、年収25万人民元未満の中国人でも過去3年の期間内に日本への入国履歴があれば数次ビザの発給要件を満たせるように変更されています。また年収25万人民元以上の中国人の場合は入国地域の制限も撤廃されています。

そもそも数次ビザは何を目的に発給開始した?

そもそも数次ビザは、外務省が2011年3月11日の東日本大震災以降、日本全国で、特に東北地域への訪日外国人旅行客が激減したことを背景に、特定地域の経済復興を目的として入国地域に制限がかかった数次ビザの発給を開始しました。

しかしながら、この数次ビザは東北地域に1泊する旅行日程であれば申請が通る要件になっていたため、経済復興を狙った東北3県には長期滞在せずに東京や大阪などの主要都市に移動する傾向が顕著に見られたため、想定した効果を得られませんでした。

今回の緩和は震災復興目的よりも、日本全体としてのリピーター訪日外国人の増加を目指しており、外務省としては過去の実績から訪日外国人数が伸びることを想定しており一定の効果を見込んでいます。

過去には中国人だけでなく、タイ人にも数次ビザが発給されていた

実は中国人だけではなく、タイ人にも2012年6月1日から数次ビザが発給されています。当時のタイ人への数次ビザの発給要件は、タイ国内に居住するタイ国籍を持つ人々の中を対象に、「申請時からさかのぼり、過去3年間に日本の短期滞在での渡航歴があり、かつ経費を支払うことが可能である」「十分な経済力を有する有職者、またはその配偶者及び子」と制定されていました、また滞在期間は原則15日(最大90日)であり、有効期間は最大3年の数次ビザでした。

この施策の背景には、両国ともに大震災と大洪水という自然災害で甚大な被害を受けたという共通点から始まり、お互いに復興支援を通じて関係を深めていくことで、長期的にアジア地域における両国の戦略的パートナーシップを強化したいという狙いから実際された政策でした。

今後はさらに多くの国に対して数次ビザを発給する?

政府は今後、2020年の訪日外国人4000万人という目標に向けて、さらに数次ビザを発給していこうという動きがあるようです。同じ国の中でも様々な所得層を囲い込むために更に短期滞在目的でも対応可能な数次ビザの発給や、潜在的な訪日ニーズが高いと想定される国への数次ビザの発給を目論んでいます。

具体的にはアジア・オセアニア地域に属するオーストラリアやフィジーなどの国が候補として挙がっているようです。

数次ビザの発給対象の変更については、今後も注意深く追っていきましょう。

数次ビザを発給しただけでリピーターとなる訪日外国人は増えるのか?

過去の取り組みから数次ビザは観光客数増加に寄与するということが証明されています。実際に数次ビザが発給された中国やタイ人の訪日旅行客数は増加傾向にあります。

しかし、数次ビザを発給しただけでリピーター化する訪日外国人数が増えるのかといえば、そこについては不明確です。先日観光庁から発表された調査データによると、訪日外国人旅行客は日本の様々な部分に対して不満を持っていることが分かりました。こちらについては以下の記事で詳細を確認することが可能です。
「国によって違う?訪日外国人観光客は日本のどこに不満を感じるのか?」

もちろんビザ緩和も訪日観光客数増加に向けた大切な施策ですが、それ以外にも取り組むべき施策は山のように存在しているのではないでしょうか?

今後どのような施策が実施されていくのか、動向を追っていく必要がありそうです。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Return Top