YellJapan

訪日外国人・インバウンドのビジネス向け総合情報サイト

訪日外国人旅行者の地域分散はモノ消費からコト消費へのニーズ移行の象徴か?

訪日外国人旅行者の地域分散はモノ消費からコト消費へのニーズ移行の象徴か?

2017年4月20にJR東日本とNTTデータが共同で、2016年6月~8月までの「訪日外国人旅行者移動実態調査」を発表しました。今回の調査はJR東日本の広報担当者によると「訪日外国人の増加により鉄道および新幹線利用が伸びているがフリーパス利用が多数を占めることから、どのように利用されているか不明であり傾向を把握したかった。」という目的から実施されたようです。

この調査では、NTTドコモの「モバイル空間統計」という各基地局のエリアごとに所在する携帯電話を周期的に把握する仕組みを利用して外国人の移動動向が調査されていました。具体的には今回の調査において、訪日外国人の500万台にも及ぶ携帯電話データを解析されています。

今回はこの調査データを元に、訪日外国人の日本における行動およびそこから見出される示唆までをお伝えしていきます。

関東から入国した訪日外国人の38%が地方へ移動しているという事実

今回の調査で明らかになったこととして、「日本への旅行=東京観光」というこれまでの行動パターンが変化しているということが挙げられます。

NTTドコモの調査によると2016年6月~8月における訪日外国人の出入国数は560万人だと推測されています。そのうちの70%以上の訪日外国人は「羽田空港」「成田空港」「関西国際空港」という日本の主要3空港がある関東と近畿地方から入国していることが分かりました。

関東から入国した訪日外国人の38%が地方へ移動しているという事実
出典:関東地方入国者の広域移動実態

そして入国後の広域移動者の数が多いのも関東と近畿から入国した訪日外国人であるということもデータとして明らかになりました。関東から入国した訪日外国人旅行者は253万人であり、38%にあたる96.2万人の旅行者が広域移動を行っています。

これまでは訪日外国人は東京観光を目的に来ていると考えられていましたが、今回の調査から実態とズレがあることが今回の調査によって判明したと言えるのではないでしょうか。

訪日中国人旅行者のニーズは「モノ消費」から「コト消費」へ変化している

今回の調査では、11カ国の訪日外国人旅行者が調査対象となっています。

その中でも最も1人当たりの滞在都道府県数が多かったのが中国であり、3.5の都道府県に一度の訪日旅行で訪れているという分析データが発表されています。

訪日中国人旅行者のニーズは「モノ消費」から「コト消費」へ変化している
出典:関東地方入国者の広域移動実態

今回の調査結果から訪日外国人旅行者は東京ではなく、地方に移動していることが判明しましたが、とりわけ訪日中国人旅行者の移動データは示唆に富んだ内容であると言えます。

訪日中国人旅行者のイメージといえば「爆買い」と呼ばれた大量の「モノ消費」のイメージを持っている方は多いでしょう。2015年の訪日外国人のインバウンド消費額の25%以上を中国人が占めていたことは記憶に新しいです。

最近では「爆買い」は下火になっていますが、訪日中国人旅行者が減ったのかといえば、むしろ未だに増加傾向にあります。2015年の訪日中国人旅行者数は年間約400万人でしたが、2020年の推測値では約550万人にまで増加すると算出されています。

このことから訪日中国人旅行者の訪日ニーズは明らかに変わってきたと推測出来ます。

この背景には訪日中国人旅行客のリピーターがあると考えられます。観光庁の『訪日外国人消費動向調査』によると、2016年10月~12月期の訪日外国人の61.6%が日本へのリピーター旅行者であると言及されています。

爆買い時期の中国人一人当たりの消費額は23万円と言われており1回目の訪日旅行でモノ消費にあたる買い物で日本にまで来て購入するものは大方消費されていると考えられます。それでも日本にリピーターとして来るという背景には、もはや日本におけるニーズはモノ消費ではなく、着物体験や温泉巡りなど日本でしか出来ないコト消費を目的にした訪日ニーズが高まってきているからだと考えるのが適切なのではないでしょうか?

訪日リピーターの増加の鍵は、どれだけ日本独自のコト消費を増やせるか

今回の調査結果から、特に訪日中国人旅行者の訪日ニーズがモノ消費ではなくコト消費であることが浮かび上がってきました。このことから日本が観光立国として訪日外国人旅行者をリピートさせ続けるにはコト消費をどれだけ増やせるか、そしてただ増やすのではなく「どれだけ日本でしか出来ないコト消費を提供し続けることが出来るか」が鍵であると言えます。

逆に言えば日本独自のコト消費を提供出来るサービスがあれば、確実に訪日外国人旅行者のニーズを掴むことが出来るとも言い換えられます。例えば、アニメARキャラと写真が撮れる聖地巡礼アプリ「舞台めぐり」は良い例です。日本のアニメやマンガは世界的な人気がありコアなファンも多く、コト消費として一定のニーズがあると考えられます。

次のビジネスチャンスの種はこのような発想から生まれてくるのかもしれませんね。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Return Top